9/12/2013

演技から抜け出すこと

それが役者の仕事である。
映画や舞台は、言ってしまえば虚構である。
その中をどれだけ真実味を持って、生きることができるか。
全部の役は自分とは違う別人。でも全部自分として生きなければ、「演技をしてまーす!」って感じになってしまう。それじゃ、お客さんの心は動かせない。
リアリティを出すためには、どうするか。
自分でいること。全部の状況を知ってること。知らないことがあると、役者は知ってるフリをせざるを得ないから。そこに「演技してまーす!」君が出てきてしまう。

だから役者は勇気が必要。
人前で本当の自分として、泣いたり、人を憎んだり、普段さらけ出さない、むしろ自分ですら気がついてない自分に向き合わなければならない。
自分が勇気を出さなければ、自分が自分の役を信じなければ、お客さんの心を動かすなんて不可能なのである。お遊戯会だ。
演技の世界では、役者のイメージが作られてしまう。
それは、その役者さんの演技が演技じゃないみたいで、その役柄の人物をそのまま人々が信じてしまうから。
本当の自分と役者としての自分のギャップに苦労する役者さんもたくさんいるだろう。
でも、それが役者の役目だ。

誰だか忘れてしまったが、有名な彫刻家がこんな感じのこと言ってた。
「作品を形作るために、石を彫ったのではない。必要のない部分を取り除いただけだ。」と。

演技も同じ。自分に何かを足していくのはなく、自分の中にある、必要ない部分を取り除き、必要な部分を覗かせる。

いかに演技から離れられるか。そこが勝負。
ちょっとしたスランプから、道がちょっとだけ見えてきた。

あとは、どこまで自分に勇気があるか。
あと、体の硬さを脱しなければ笑

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